率直に言うと、報酬の額だけでは、その仕事を続けたいか決めにくいです。作業そのものは短くても、資料の確認や連絡、修正に予想以上の時間を取られることがあります。副業に使える時間が限られている僕にとって、この見えにくい時間を数えることが採算確認の出発点です。

時給 計算 ツールを使うときも、まず決めたいのは入力する範囲です。この記事では採算を見るために、実質時給=(報酬−経費)÷仕事に使った合計時間と置きます。ここで出すのは税金・社会保険料を差し引く前の比較用の数字で、手取り額とは分けて考えます。

時間契約を比べる前にやること:請求時間と投入時間を分ける

ここからの3例は、計算の違いを見るために僕が置いた仮の条件です。実績や相場を示すものではありません。いずれも同じ1か月分として、税金・社会保険料を引く前の金額を使います。

時間契約型のAは、報酬30,000円、経費2,000円、請求対象の作業が10時間。さらに請求対象外の準備や連絡を含めると、合計14時間という設定です。請求対象の時間だけで割った単価は3,000円ですが、採算を見る実質時給は2,000円になります。

入力前に、作業記録を「請求に使う時間」と「自分が使った時間」に分けます。僕なら後者に、打ち合わせ、資料の確認、請求書の作成まで含めます。どこまで計上するかを先に決めれば、月によって比較の基準がぶれにくくなります。

固定報酬を受ける前にやること:修正の時間も見積もる

固定報酬型のBは、報酬30,000円、経費3,000円、制作・連絡・修正を合わせて18時間とします。実質時給は1,500円です。Aと報酬は同額でも、経費と時間を入れると結果が変わります。

受注前は、制作、打ち合わせ、修正、納品処理を別々の欄に書き、それぞれの見積時間を足します。受注後は実測時間に置き換え、見積もりと実績を別の列に残します。最初の予想を消さずにおくと、どの工程を短く見ていたか振り返れます。

たとえば同じ条件で修正が3時間増えると、実質時給は約1,286円です。受けるかどうかは金額だけで決まりませんが、修正回数や追加料金を話し合うときの材料にはできます。

販売型を計算する前にやること:売上と経費の範囲をそろえる

販売型のCは、売上50,000円、仕入れ・送料・販売手数料などの経費20,000円、撮影・出品・梱包・問い合わせ対応を合わせて20時間とします。計算上の実質時給は1,500円です。

この例では、その月に売れた商品に対応する仕入れ代を経費に入れ、在庫の増減は置いていません。実際に記録するときは、購入した商品の代金と売れた分に対応する代金を別欄に書き、どちらを比較に使うか決めます。売上は今月分なのに、経費だけ翌月分まで入れる、といった混在を避けるためです。

共通で使う道具やサービスの費用も、案件ごとに全額を重ねて入力すると二重計上になります。僕なら作業時間などで配分する基準を決め、その基準をメモに残します。これはこの記事での採算管理の考え方です。

結果を並べる前にやること:同じ期間と計算基準にそろえる

3例を表にすると、売上や報酬の大きさと、時間あたりに残る金額を分けて見られます。経費を引いた金額も併記すると、使える時間が限られる場合の判断材料になります。

時間契約・制作・販売の仕事を表す机上の道具
同じ1か月分・税金と社会保険料を引く前の比較
タイプ 報酬・売上 経費 合計時間 実質時給
A:時間契約 30,000円 2,000円 14時間 2,000円
B:固定報酬 30,000円 3,000円 18時間 1,500円
C:販売型 50,000円 20,000円 20時間 1,500円

Cは売上が最も大きい一方、実質時給はBと同額です。ただし、経費を引いた金額はBが27,000円、Cが30,000円。月に残したい金額と、確保できる時間の両方で見たいところです。

本業も並べるなら、月額給与には同じ月の勤務時間を対応させ、額面と手取りを混ぜずに欄を分けます。比較の置き方は、月給の時間単価と副業の実質時給を比べる方法でも整理しています。

ツールに入力する前にやること:時間の単位と式を確認する

僕なら、一度だけ確認するときは電卓、毎月比較するときは表計算を選びます。Webの計算ツールを使う場合も、次の順で入力欄を確認します。

  1. 対象月、報酬、経費、合計時間を手元に書き出します。
  2. 時間欄が「時間と分」なのか「小数の時間」なのかを読みます。
  3. 経費欄がなければ、報酬から経費を引いた金額を計算し、入力欄の意味に合うか確かめます。
  4. 結果の単位と端数の表示を確認し、元の数値も保存します。

1時間30分は1.30時間ではなく、1.5時間です。分を60で割って時間に直します。表計算で報酬をA2、経費をB2、合計時間をC2に置くなら、式は=(A2-B2)/C2です。合計時間がゼロなら計算を保留し、入力漏れを確認します。

✅準備や連絡の時間を含めたか、同じ費用を二度引いていないか、見積もりと実測を混ぜていないか。この3点を見直してから結果を比べます。

案件を選ぶ前にやること:時給と支払条件を並べる

僕なら実質時給の横に、修正の範囲、追加作業の報酬、支払期日も書きます。公正取引委員会のフリーランス法の説明では、支払期日の規制が適用される発注事業者は、物品等を受け取った日などから60日以内のできる限り短い期間で期日を定め、その日までに支払う義務があります。

計算で出る採算と、入金までの予定は別の確認項目です。みなさんも、使える時間と契約条件を並べると、自分の生活に収まる案件か考えやすくなります。次は、見積もった作業時間と実際の時間のずれを、次回の報酬交渉にどうつなげるかを整理します。