「副業って、結局なにから始めるのがいいの?」同僚にそう聞かれると、僕は副業の名前より先に「手元にいくら残るか」「週に何時間使えるか」を聞き返します。ライティングとECサイト運営を6年続けてきましたが、年間売上が約180万円あっても、経費を引いた手取りが半分以下だった年があるからです。

パーソル総合研究所が2025年10月28日に発表した調査では、正社員の副業実施率は11.0%で過去最高でした。ここでは会社員が始めやすい副業7選を「受注型」「スキル販売型」「物販型」の3タイプに分け、初期費用・時間・向き不向きで並べます。

7つを見る前にやること:就業規則と「20万円」の線を確かめる

厚生労働省の副業・兼業の解説では、モデル就業規則は許可制から届出制に改められましたが、実際の規定は会社ごとに違います。まず自社の就業規則を開いて確認します。アルバイトなど雇われる形で掛け持ちするなら、労働基準法38条で労働時間が通算される点も各社とすり合わせが必要です。

税金の線も一つだけ。国税庁の説明では、給与を1か所から受けて全額源泉徴収されている人は、給与以外の所得が年20万円以下なら確定申告は原則不要です。見るのは売上ではなく所得のほうです。

受注型を選ぶ前にやること:手数料の段階を知る

クラウドソーシングで仕事を受ける形です。クラウドワークスのシステム利用料(税別)は、契約金額10万円以下とタスク形式が20%、10万円超〜20万円以下が10%、20万円超が5%。少額ほど率が高く、受け取り時には楽天銀行100円・他行500円(税込)の振込手数料も別にかかります。ランサーズは受注者側に契約金額(税込)の16.5%です。

①ライティング

僕の副業の柱です。平日22時からの1〜2時間でも区切って進めやすい反面、修正のやり取りで時間が読みにくい。締め切りを自分で管理できる人に合う形です。

②タスク形式の小さな作業

1件ずつ終えられるのでスキマ時間に合わせやすい一方、手数料率は20%。僕は単価の安い案件を大量に受けて本業に支障を出したことがあり、件数で積む形は「本業に響かない上限」を先に決められる人向きだと感じています。

スキル販売型を始める前にやること:2割超を引いた値付けにする

スキルを商品として出品する形です。ココナラでは2021年4月12日から、テキスト・ビデオチャット・有料ブログ等の販売手数料が税込22%。初期費用は原則かかりませんが、売上の2割超が引かれる前提で価格を決めます。

③テキストでのサービス販売

やり取りが文字で完結するので、夜に返信をまとめやすい形です。得意分野を言葉で説明できる人に合います。

④ビデオチャットでの相談

決まった時間に画面の前にいる必要があります。僕なら週末の午前のように、動かしにくい予定が入らない枠を先に押さえてから考えます。

⑤有料ブログ

先に書く時間を使い、売れるかどうかは出したあとにわかる形です。すぐの収入より、書きためる作業を続けられる人向きです。

物販型に手を出す前にやること:許可が要るか線を引く

⑥自分の不用品を売る

愛知県警察のQ&Aでは、自分で使っていた物を売るだけなら古物商許可は不要と説明されています。出品・梱包・発送にどれくらい時間を取られるかを知る入口になります。

⑦せどり・転売

利益目的で中古品を仕入れて繰り返し売るなら、古物商許可が必要です。警視庁の案内では申請手数料が19,000円。そこに仕入れ代が乗ります。ECサイトを運営していて思うのは、在庫と発送の手間が作業時間に静かに積み上がること。正直、ここは見落としやすい。

7つを比べる前にやること:手数料を引いた時給に直す

会社員が始めやすい副業7選の整理
タイプ 副業 始めるときのお金 時間の使い方
受注型 ①ライティング 売上から手数料(契約額で変動) 夜に区切りやすい/修正で延びる
受注型 ②タスク形式 売上から手数料20% スキマ時間向き/件数が増えがち
スキル販売型 ③テキスト 原則なし(売上から22%) 返信をまとめやすい
スキル販売型 ④ビデオチャット 原則なし(売上から22%) 固定の枠が必要
スキル販売型 ⑤有料ブログ 原則なし(売上から22%) 先に書く時間を使う
物販型 ⑥不用品 許可不要 出品・発送の時間
物販型 ⑦せどり 許可申請19,000円+仕入れ 仕入れ・在庫・発送

仮の数字で時給に直してみます。3万円の仕事に20時間かかったとして、手数料率だけを当てはめる概算(税込・税別の違いと振込手数料は含めない)だと、20%なら残りは24,000円で時給1,200円、16.5%なら25,050円で時給1,253円、22%なら23,400円で時給1,170円です。

比べる物差しは、2025年9月5日に公表された令和7年度の地域別最低賃金の全国加重平均1,121円。どれも上回ってはいますが、差は小さいです。

💡 ここに経費や打ち合わせの時間を足すと、時給はさらに下がります。自分の数字での出し方は月給の時間単価と副業の実質時給を比べる方法にまとめています。

1つに絞る前にやること:自分のリソースに当てはめる

  • ✅ 平日夜に1〜2時間ずつなら、①や③のように区切れる形が候補に入ります
  • ✅ 決まった時間枠を用意できるなら、④も比べる対象になります
  • ✅ 始めるときのお金を抑えたいなら、スキル販売型や⑥から様子を見る手もあります
  • ✅ 仕入れ資金と保管場所があり、申請手数料も織り込めるなら⑦も選択肢です

💡 受注型で相手と直接やり取りするようになったら、報酬や支払期日の確認が欠かせません。僕は請求書に支払期日を書き忘れて、入金が2か月遅れました。契約前に見る項目は業務委託で副業を始める前に確かめる契約条件と採算で整理しています。

だから同僚には、こう返しています。「7つ全部を比べるより、来週の夜に何時間空けられるかを先に決めてみて。1つ選んで、手数料を引いたあとの時給を出してから、続けるか考えればいいと思うよ」。みなさんも、最初の1件は売上ではなく、手元に残る数字で眺めてみてください。